NPO法人 フェアスタートサポート 増山直子さん


Q.1 まずは普段のお仕事について教えてください。

企業の人材育成や個人の学びの場作りのお手伝いをさせていただく、フリーランスの人材育成コンサルタントです。もともとは法人向けに人材育成支援を行うベンチャー系のコンサルタント会社に勤めていたのですが、2年ほど前からフリーで活動しています。

Q.2 フェアスタートサポートの活動に参加された経緯を教えてください。

前職のコンサルタント会社では、法人営業や研修プログラム開発などを担当していました。企業向けの研修プログラムというのは、受講する側からすると、会社や上司からの指示で参加するため“受動的な学び”になりがちです。ある程度強制的に学ぶ場も必要だと思いつつ、キャリアを重ねていくうちに、自分の意志で自分の時間とお金を使って学ぶ、より能動的・自発的な学びの場づくりにも興味が出てきたんです。そこで会社と相談して一旦休職し、学びや教育などをテーマに、気になる活動に参加したり、勉強したりして半年ほど興味の赴くままに活動しました。
その頃、学習・学び・横浜・子ども…といったキーワードでネット検索してたまたま見つけたのがフェアスタートサポートだったんです。社会貢献したい…というような思いからではなく「自発的な学びの場づくり」のために「教育の現場」を見たい、というちょっとよこしまな動機でしたね(笑)。

Q.3 フェアスタートサポートの活動内容を教えてください。


“NPO法人フェアスタートサポート”は、“株式会社フェアスタート”の企業活動を支援するために2013年に設立された団体です。株式会社フェアスタートの社長である永岡鉄平さんがNPOフェアスタートサポートの代表も兼務。両組織が連携しながら、社会的養護を必要とする子ども達に、公平に機会が与えられる社会を目指して活動しています。具体的には、株式会社フェアスタートは、児童養護施設等で育った子どもたちと企業とのマッチングを行う就職支援事業を行い、NPO法人フェアスタートサポートは児童養護施設の子どもたちを対象に、キャリア教育や就職後のアフターフォローを行っています。キャリア教育では、就職に役立つパソコン教室を、アフターフォローでは、就職して施設をはなれた子どもたちが集まるイベントなどを運営しているんですよ。

Q.4 増山さんの活動と役割について教えてください。

2013年春に活動に参加した当初は、NPOフェアスタートサポート自体が立ち上がったばかりで、活動の方向性や優先順位、活動資金やその収支、人の管理なども含め、走りながら整えている、という状態に見えました。民間企業の感覚からすると、掲げているビジョンに対して予算などのリソースが少なく、これだけの予算で活動しているなんて!と正直驚きました。同時に、誰かから必要とされる活動、活動が止まると困る人がいる活動であるならば、継続できる仕組みが必要だと思いました。また、「社会から必要とされ、価値のある活動ならば、その対価として、活動に従事する代表の永岡さんを中心とするメンバーにもきちんと報酬・リターンがある社会であって欲しい」という思いもあって、比較的時間にゆとりがあった時期は、多いときで週2~3回は活動に携わっていました。月1回のボランティア執行メンバーによる会議運営にも携わりながら、団体の戦略づくりや事務局運営の仕組づくりのサポートなどに関わってきました。

Q.5 本業のコンサルタントのスキルが活かされた形ですね。

代表の永岡さんたちが毎日奮闘されている様子を見て、おせっかい魂が出てきちゃったんですよ(笑)。もともと私は、自分が直接的にサービスを提供するのではなく、サーブする人を支援するほうが好きなんです。直接的に行動するのは、それが得意な人がやればいい。 私自身は“自分にはない力”を持った人を裏方としてサポートし、彼らの力が発揮しやすい環境を整えていく…そういうところに自分の強みがあると思っています。

Q.6 戦略づくりや事務局の仕組み構築にはどのように関わられたのですか?


私が参加した当初、フェアスタートサポートは、メンバーそれぞれの思いやビジョンがあり、やろうとしていること、やりたいこと、やるべきことがありすぎて、現状のリソースで実現できるキャパシティーを超えてしまっているように見えました。また、スタッフは少数精鋭で活動しているので、必然的にそれぞれの持ち場は1人で守ることになり、お互いの情報共有がタイムリーにできていない、という声もありました。いかにしてそれを整理し、仕組化し、PDCAを回すか…ということを考えて、話合いの場では、自分が議論の中心になるというより、ファシリテーター的な立ち位置で臨むよう心がけていました。時にはメンバー同士の意見がぶつかることもあったと思いますが、今では小中学生時代の子供に対するキャリア教育よりも、18歳で社会に出る若者が就職するタイミングでの就労支援である「就職仲人事業」にフォーカスを絞って取り組むという方針が明確になり、活動も整理されてきたようです。

Q.6 現在の活動と、今後について教えてください。

団体の方針が絞り込まれ、仕組づくりもひと段落したところで、自分自身の本業も軌道に乗ってきたので、フェアスタートサポートでは月2回のパソコン教室運営ボランティアに専念しています。その一方で、NPOの経営コンサルティングを行う「NPOマネジメントラボ」の活動にも参加しはじめました。自分が役に立てるところで自分を活かしていきたい、という思いを常に持っているので、必要とされる場があれば、新しいことにどんどんチャレンジしていきたいですね。

SMJより

漠然と「社会貢献したい…」というのではなく、持っている強みを、必要とされる場で活かしながらキャリアを重ねていきたい…という増山さん。社会人としてスキルを積み重ねてきたからこその思いに、編集スタッフも大いに共感! 前に進み続ける増山さんの姿勢には、パラレルキャリア実現のヒントがたくさん詰まっていました。

[ 取材:佐藤 ]