ボランティア体験談

Q1.普段はどんなお仕事をされていますか?
プラント設計の仕事をしています。高校生の時に南米チリに一年間留学したのですが、そこで水不足による断水・停電生活を体験しました。インフラが整っている環境が当たり前にある日本の生活が、どれだけすごいことかを身をもって感じました。発展途上国の人々に日本の技術力で貢献できるようになりたいと考えたことが今の仕事を選んだ動機です。
仕事では海外出張の機会にも恵まれ、実際に発展途上国の現場へ赴き、インフラを整備するプロジェクトに携わったりもしています。まだまだ未熟ですが「世界に技術で貢献するグローバルエンジニア」になることを目指して日々勉強中です。
Q2.ACTIONとはどのようにして出会ったのでしょうか?
大学3年時に国際理解イベントを企画する団体『学生NPO国際協力感じ隊』を有志の仲間と結成し活動しており、『学生のための国際理解講座』の企画・運営をしました。その講座の講師として、ACTION代表の横田宗さんに来て頂いたのが、ACTIONに出会ったきっかけです。
Q3.今までどんな活動に携わってきたのですか?
まず、ACTIONが主催するフィリピンの孤児院でのワークキャンプに3週間参加しました。帰国後は週1日の事務局スタッフ、フィリピンの先住民支援(日本の炭焼き技術を伝える活動)企画、学生ボランティア企画間のネットワーク会議運営企画などのボランティアをしていました。 就職後は、一旦活動から離れていたのですが、社会人3年目になり仕事以外の活動にも力を入れたいと思い、事務局スタッフのボランティアを再開しました。社会人になってからは現在1年くらい続けています。
Q4.現在行っている活動内容を少し詳しく教えてください。
主に行っているのは、『ACTIONの会員数を増やすための施策を計画・実行すること』です。
今までACTIONの会員は、ワークキャンプに参加した初めの一年間だけ自動的に会員になっている人が大半で、継続会員は殆どいませんでした。フィリピンの子どもたちと3週間共に過ごし、別れの時にサヨナラの涙を流すキャンプ参加者は多い。でも「また来るね」という子どもとの約束を守る人はごく僅かであるのが現実。それを変えたいと思っています。
会員を増やすという意味ではACTIONを知らない人へのPRは勿論の事ですが、何より2000人に上る過去のワークキャンプ参加者に再び会員になってもらうために、こちらから積極的にアプローチすることが大事だと考えています。恐らく大半の人は会員と非会員の違いを認識していないだけで、フィリピンで出会った子どもたちへの想いは今も変わらず心の中にあり続けていると思います。

会員を増やすためには幾つかのステップを踏むことが必要だと考えています。
第一には、会員と非会員を明確に定義し、それを知ってもらうこと。
第二には、会員が満足できる特典を提供すること。具体的には、活動内容を定期報告するニュースレター、会員向けイベント企画を充実させること。
第三には、会員自らが企画や活動できるプラットフォームをつくること。

昨年一年かけて第一段階はクリアしたので、現在は第二段階にあります。今年はニュースレター、会員向けイベント企画の充実の実現を目指しています。

また同時に、ただ闇雲にPRをするのではなくニーズに合わせたアプローチをして行く事で、生産性の向上を計ろうと考えています。必要な人に必要な情報をどう伝えるのかが大切なので、これまでACTIONに関わった人がどんなことに関心があって、どんなイベントに来たのかがわかるデータベース構築プロジェクトを進行中です。
ニュースレターの取材や構成企画は事務局に行って相談する必要がありますが、編集作業は主に自宅でpublisherというデザインソフトを使って編集しています。
Q5.長年活動を続けるACTIONの魅力は何でしょうか?
既成概念にとらわれず良いと思ったこと、やりたいと思ったことにチャレンジしてみようという風土があるところですね。あとは代表の横田さんの人柄やカリスマ性かな。
Q6.今後これをやっていきたい、ということはありますか?
どうしたらより多くの「社会人」を巻込んでいけるのかを考えています。例えば活動資金を集めるにしても一人から沢山集めるのではなく、一人でも多くの色んな人から集めるという視点をもって活動していきたいです。これは活動資金だけでなく、アイデアについても同様です。沢山の個性を持った人たちが集まれば多様性が生まれ、アイデアがアイデアを生みます。そして、そういったアイデアを具体化させるのに長けているのが「社会人」という存在だと考えています。
「社会人」になると活動から遠ざかってしまう人が多いので、是非一人でも多くの社会人に経験を積んだ『今だからこそできること』を実現するために活動を再始動して欲しいです。私自身はこれを『Re‐ACTION』と呼んでいます。会員自らが発起となって、面白い新企画がどんどん産まれる活気あるACTIONにして行きたいですね。
Q7.仕事との両立は大変じゃないですか? 
特に両立、ということを強く意識はしていません。
自分の中では「プライベート」・「仕事」・「社会」という3つの軸を持っていて、それぞれ根をしっかりと張っていきたいと考えています。「仕事」の軸しか持っていない場合、それが上手くいかなかった時に行き場が無くなってしまう、そんな時にもう1つ自分を試せる場所や居場所があることは非常に意味を持ちます。それは逃げではなく、もう一度再挑戦するために必要な場所だと私は考えています。
逆に、「社会」という軸を充実させるために多くの人や考え方に触れ合うことで、「仕事」や「プライベート」に相乗効果がもたらされることが非常に多いです。
今は3つの軸を自分でうまくコントロールできています。
今後はその状態を継続しながら、それぞれの軸をより充実させて行きたいですね。
Q9.ACTIONの活動以外にも様々な社会貢献活動をされているようですね。
『「現状をより良くしたい」という気持ちを、行動に移す。』
それは仕事でもプライベートでも変わらないし、学生だから社会人だからということもあまり関係ないと思っています。
「問題の塊で出来ている」と言っても過言ではない位、社会には自分の知らない様々な問題が山積しています。全ての問題に関わることはできませんが、より多くの問題を知り、自分自身の問題として感じ、何が出来るかを考え、実行に移して、解決するための貢献が出来れば良いなと思っています。
Q10.最後にもんじゅを見てこれから何かやってみようかな?と思っている人にメッセージをお願いします。
『自分にしかできないこと』は、世の中にたった一つだけ。
それは、『自分のやりたいこと』です。
何かが出来るとか出来ないとかは関係ありません。
ボランティア募集の掲載内容にこだわらずに、まずは一度事務所に遊びに来てACTIONを知ることから始めませんか?きっとあなたにしかできない社会貢献が見つかるはずです。

NPO法人ACTION http://www.actionman.jp/
NPO法人ACTION の ボランティア募集はこちら

SMJより
ACTIONでの活動以外にも積極的な社会貢献活動を行っており、何事にもチャレンジするという強い意志が感じられた五味さん。軸をしっかりもっていて質問に対してもどんどん自分の意見を述べてくれる姿が印象的でした。
五味さん、ありがとうございました!

[ 取材:玄道・近内  撮影:前田 ]

体験者の声