ボランティア体験談

Q1. a-conの活動に参加されたきっかけを教えてください。

活動に参加して1年半ほどになるのですが、きっかけはまったくの偶然です。「何か新しいことにチャレンジしたい。同じやるなら、社会の役に立つことをやってみたい…
と社会人向けのボランティアを検索していたときに、たまたまa-conのサイトを見たのが始まりですね。その後、月例活動説明会に参加し、その場で代表である加形さんに「一緒にやろうよ」と声をかけられて…という流れでした。いざやり始めたら、どんどん楽しくなってきて、それまで趣味で通っていたボイストレーニングの教室も辞めてしまったほどです(笑)
a-conの活動に参加する前にボランティア経験は一切ありませんでしたし、人見知りもする性格なのですが、スムーズに活動に入っていくことが出来ました。加形さんをはじめとする周りのメンバーの朗らかな人柄のおかげかもしれませんね。

Q.2 a-conではどんな活動をしているのですか?

a-conは「自分たちの活動を社会に伝えたい」と考えている団体に対して、どうすればよりよく伝わるかを一緒に考え、実現を目指してサポートをしています。具体的には期間を区切ったプロジェクトベースでNPOの広報活動やコミュニケーションの方法にプランニングから関わらせていただき、その団体と一緒に汗をかきながら実行していく、という形式です。僕自身は現在3つのプロジェクトを担当していて、ミッションや目的が全く異なる3つのNPO法人について、コミュニケーションをサポートさせていただいています。直接NPO法人を支援するプロジェクトの参加以外にも、それぞれのプロジェクトがうまくまわるよう、サポートをする、運営委員の1人として活動説明会やイベント運営にも携わっています。

Q.3 普段の仕事について教えてください。

仕事は金融系システムの営業です。取引先が求める要件や課題をヒアリングし、それに応えるシステムを設計して提案・販売します。営業は一人ひとりが「売ってなんぼ」。チームというより、個人プレーの色合いが濃い仕事ですね。ただ、システム設計後の実作業はエンジニアが行なうので、取引先への貢献やコミットという点では、あまり貢献できていないのでは、と感じているのが現実です。それもあって、自分自身がより踏み込んで関わり、貢献ができる活動にチャレンジしてみたいと思うようになりました。

Q.4 普段の仕事とa-conでのボランティア活動に共通するところはありますか?

共通する部分はほとんどない…というか、むしろ“違う”ところがやりがいですね。実際a-conに参加するまで、僕は広報やコミュニケーション支援についての知識や経験は全くありませんでした。でも、a-conでは経験者や特別なスキルを持つ人を求めているのではなく、「やってみたい」というモチベーションさえあれば、その人なりの貢献が必ずできる、という方針でメンバーを募っています。たとえば議事録をとったり、ミーティングの日程を調整したり、活動へのコミットの仕方は人それぞれだし、どんな形でも構わない。そんなa-conのスタンスのおかげで、背伸びや無理をせずに、自分なりに活動できていると思います。

それから、社会人の多いa-conの活動は、個々のメンバーがそれぞれに何かを達成するのではなく、メンバーが互いに協力しあい、補いあって団体運営やプロジェクトを進めていきます。仕事が忙しい時期は、どうしてもミーティングに出られないときもありますが、それはお互い様ですから。 もちろん役割分担もありますが、あまりガチガチに決めてしまわず、誰かが不在のときは、自然と他のメンバーが補う。「チームで何かをなしとげる」「チームのためにできることがある」という実感は、仕事とは違うやりがいがありますね。

Q.5 a-conの活動をする際に心がけていることはなんですか?

a-conでは多忙な社会人メンバーもたくさん活動しているので、打合せひとつとっても日程などの調整に手間がかかります。そのため普段からフェイスブックなどを活用してメンバー間の連絡を取り合っているのですが、僕はウェブだけでなく、できるかぎり直接会って、顔をみて話をする機会を多く持つように心がけています。特に自分が携わっているプロジェクトを進めていくうえでは、a-conメンバーはもちろん、僕たちに依頼してくれた団体ともミッションや目的を共有することが不可欠です。わざわざ会わなくても何とかなるかな、というときでも、あえて直接話をすると、互いの状況や考えもよくわかります。それまで引っかかっていた問題がスっと解決して、メンバーがひとつの方向を向いて進めるようになるのです。あ、でもこれは営業の仕事でも同じですね。エンジニアや他部署のスタッフにお願いごとをする際には、電話やメールで足りることであっても、あえて直接出向いて、顔を見て依頼するようにしています。そうするとちょっと無理なお願いでも「中谷が言うならしょうがないな」と引き受けてもらえたりします。今気がつきましたけれど、これは営業の仕事がa-conでの活動に活かされている部分かもしれませんね(笑)

Q.6 最後に、もんじゅを見ている方にメッセージをお願いします。

僕たちa-conは、NPOの広報・コミュニケーションに関するコンサルティングのような活動をしている団体です。“広報”とか“コミュニケーション”という言葉はカッコいいイメージがあるかもしれませんが、実際には地道で泥臭いことの連続です。コンサルといっても、上から目線のアドバイスをする訳ではなく、a-conが依頼してくれたNPOに代わってすべて作業するという意味でもありません。一緒に悩み、一緒に考えて行動する…a-conではそれを “一緒に汗をかいていく”と表現するのですが、それこそが僕らが一番大切にしている姿勢です。ちょっとしたアイディアでも、一緒に考えることで依頼してくれたNPOに貢献ができるはずだし、活動を通じてNPOの、「社会に伝えたいメッセージを少しずつ広げていきたい。 a-conはそんなNPOのコミュニケーションを広げ、活動を広めていくためのエンジンになれる。そう確信しています。特別なスキルや経験は必要ありません。泥臭いことや手間をいとわず“一緒に汗をかける”方と、ぜひ今後一緒に活動したいですね。

SMJより

相手の目を見てまっすぐに質問に回答してくださる中谷さん。そんな様子からも、できる限り「直接顔をみてコミュニケーションすることを大切にしている」という中谷さんのスタンスが伝わってきました。中谷さん、ありがとうございました。

[ 取材:玄道・佐藤 撮影:田中 ]

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