ボランティア体験談

Q1. 普段のお仕事について聞かせてください。

現在はフリーランスとしてWebのディレクションやデザインの仕事をしています。学生時代からデザインやアート、写真などが好きでしたが、知識はほとんどが独学です。大学卒業後は広告のデザイン会社やWebの制作会社を経て、6年前に独立しました。

Q2.ハンガー・フリー・ワールドで活動を始めたきっかけを教えてください。

学生時代からバックパッカーで、長い休みに入るたびに、海外をフラフラと旅していました。最初の海外旅行で東南アジアとインドに2ヶ月間行ったのですが、その時から航空券のチケットだけを予約して、一人で安宿を探しながら旅をする、バックパッカースタイルでの旅でしたね。フリーランスになったのも旅をするのに一番便利なワークスタイルだからです。

海外で様々な国を見て、様々な人と出会い感じたことは、日本や日本人は様々な面で非常に恵まれているということです。今もバックパッカーを続けている理由は、旅先の人と関わることで自分の環境や思考を客観視する事を忘れない為でもあります。ただ、頭では自分達が恵まれている事を分かってはいても、忙しい日常の中ではそんな事は忘れてしまい、大きな視野でものが見れなくなってしまうことがあります。ボランティアを始めようと思ったきっかけはそこで、貧困や途上国の問題と接点を持ち続けることは、途上国が抱える問題に少なからず協力できるだけでなく、自分を常に俯瞰するためにも大切だと思いました。そして、ボランティア情報を探す中で、当時デザインボランティアを募集していたハンガー・フリー・ワールド(以下、HFW)に出会い、活動に携わることになりました。

Q3.ハンガー・フリー・ワールドでの活動内容を教えてください。

HFWはNGOの中でも情報発信を積極的に行っている団体だと思うのですが、その基本となる団体Webのリニューアルのお手伝いをしています。具体的には、既存のページをより効果的に見せたいという要望が団体からあった際に、文字の大きさ、タイトルの見せ方などページ構成を考えるディレクションを担当しています。HFWの広報担当スタッフの方、デザインやコーディングを担当する他のボランティアの方と連携を取りながら進める作業になります。また、特にWeb関連で社会貢献に関連した新しい情報があった際には「こういうのがありますよ」とお知らせしたりしていますね。

Q4.今後ボランティアとして挑戦したいことを教えて下さい。

現在は特定のコンテンツのリニューアルが主ですが、それだけではなく、団体 Webサイトの全体的な刷新作業にも携わりたいと考えています。もちろん、HFWのスタッフの方も Webサイトだけを担当している訳ではないので現状それほど余力はないと思いますし、自身の作業量の問題もあります。簡単ではないと思いますが、いつかはやってみたいと思っています。

Q5. 仕事とボランティアを両立することでのメリットやデメリットを教えて下さい。

作業自体は普段仕事でやっていることとそれほど変わらないので、そういう意味では仕事で培った技能をうまく活かしながら関わることが出来ています。仕事とボランティアのやりくりの難しさは、私の場合時間的な問題だけですね。本業の仕事を優先しなければいけない状況がどうしても多くなるので、平日の作業終わりの時間、また土日をうまく活用しながら作業を進める必要がありますね。

Q6. ハンガー・フリー・ワールドでのやりがいや活動を続けるモチベーションを教えてください。

違う業界の人とコミュニケーションを取れること、一緒に活動が出来る機会を持てることがやりがいに繋がっています。例えば、私のようにWebやデザイン業界にいると、同じような業界の人と、同じような話題でしか話をしなくなってしまう傾向がありますが、本来、閉じこもってしまうことが好きではないので、HFWの活動を通じて色々な活動や仕事をされている方々と関わることが出来て楽しいです。

最後に「もんじゅ」を見ている方へメッセージをお願いします。

団体にはきちんと活動のことを考え、行動しているスタッフの方がいますので、必ずしも私たちボランティアが国際協力の専門家になる必要はないと思います。ボランティアがその人なりに、どこか一部の力を貸してあげることが、団体を支援する力になると思うんです。例えば、HFWには途上国の現場で飢餓に苦しむ人たちの自立を支援するプロがいます。私の役割は同じプロになるのではなく、そこはスタッフの方にお任せして、広報やデザインという別の足りない部分に力をお貸しすることだと考えています。ボランティアは少し力を貸すくらいでいい。足りないところを補うような形でいいんじゃないか。そういうボランティアのモチベーションもあるのではないかという気がしています。あとは様々な方との交流を楽しめればいいんじゃないかと思っています。
特定非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールド http://www.hungerfree.net/
特定非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールドの ボランティア募集はこちら
高澤さんがディレクションを担当したページ → 世界の飢餓と私の食

SMJより

飢餓のない世界を創るために活動するハンガー・フリー・ワールド。
自分なりの問題意識から、「デザインのプロ」として自分なりの関わり方で活動に参加する。
高澤さんのようなプロボノ(※)の意義と可能性を実感した取材でした。
高澤さん、どうもありがとうございました!
(※)社会人が職業上培った技能や経験を活かして参加する社会貢献活動・ボランティア活動

[ 取材:後藤 撮影:前田 ]

体験者の声