ボランティア体験談

Q1. 普段のお仕事について教えてください。

浅川 金融系のシンクタンクに勤務をしていますが、普段は、いわゆる経営コンサルタントのように、民間企業の経営の支援をしています。
以前は通信関係のメーカーに在籍しており、転職をしてこの業界に入ったため、通信、IT周りの支援を多く担当しています。その他にも情報発信のためにメディアに向けて記事を書いたり、リサーチなども行っています。

瀧口 本業は弁護士です。主に海外への取引関係の仕事を多く担当しており、海外企業が日本企業と取引する際の契約関係やトラブルなどの調整、またその逆の日本企業が海外へ進出していく際の取引の法的サポートを行っています。
大学院で法律を学び始め、司法試験を受けたので現在、弁護士になって2年目になります。

Q2.3keysとはどのようにして出会ったのでしょうか。

浅川 3keysを知ったのは、HPを検索していて見つけたのが最初です。元々仕事で得た経験を他の場所で活かすことができないかと考えていたので、そういう場がないか何となく調べていたのです。後は単純に子どもが好きという点もあげられますね。
HPフォームから申し込みをして、代表・副代表の方と直接会って面談をしました。児童養護施設の子どもたちへの直接の支援は難しいけれども、自分自身が仕事で行っている、組織や、経営のサポート、という点で携わることになり、現在に至ります。
他の団体でのボランティア経験はなく、3keysでのボランティアが初めてです。

瀧口 大学4年〜大学院の時期にフローレンスという、病児保育をサポートするNPOでスタッフとして、約1年半携わっていました。
当時は学生で、司法試験合格を目指して勉強をしている時期だったので、何かスキルを活かした支援ができていたわけではありません。ただ、自分が弁護士になったらそのスキルを活かした支援をしたいと考えていました。
フローレンスでは、立ち上げ初期段階から団体が成長して行く過程を経験させていただきました。弁護士になってから、同じように活動を開始した初期の団体、そして子どもの成長に関わることのできる団体をサポートしたいと考えていることを、その団体の代表に相談したところ、3keysを紹介いただき、サポートすることになりました。

Q3.活動のどんな部分をサポートしているのでしょうか。

浅川 現在は、法人からどうやって寄付を集めることができるのか、など寄付体制を整えるためのサポートをさせていただいています。
具体的には企業に対して、どんな点をアピールしたら共感を得やすいのか、どんな方法だと寄付を集めやすいのかなどの相談にのるなどですね。
代表が企業の方へプレゼンするための資料にアドバイスをしたり、事前の模擬プレゼンに参加したり、実際に自分で資料を作成して提供することもあります。

瀧口 参画した当初は法律関係のサポートをメインに行なおうと考えていたのですが、当時はまだ組織自体がしっかり作られていない状態でした。
自分にとっては立ち上げ初期の団体サポートは、フローレンスに続き2度目だったため、フローレンスでのケースを基に経験を伝えるなど組織作りから、深くコミットして行っていました。
その後、3Keysでも徐々に組織が体系化されていき、NPO法人格を取得したので、現在では本業で培った法律面でのサポートにシフトしているという状態です。

Q4.現在まで活動を続けているのは何故でしょうか。

瀧口 活動に参加したいと感じるようなモチベーションはいろんな部分にあるのですが、大きな点としては2点。1つは中にいるスタッフの方がとても頑張って活動に打ち込んでいて、それに自分が引っ張られているという点です。
スタッフや他のボランティア方の様子に刺激を受け、もっと自分も頑張らなきゃと感じています。
もう1点はやはり活動そのものに魅力を感じているからです。
参画した当初は、児童養護施設にいる子どもたちの状況をあまり分かっていませんでしたが、活動のなかで子どもたちの喜びの声を実際に聞いたり、読んだりする機会を得て、活動そのものに対してやりがいを感じるようになりました。

浅川 1点目のスタッフの方が頑張っているからという点は同じですね。私のアドバイスを真剣に聞き、吸収しようと一所懸命になっている様子を見ると私自身もやりがいを感じますし、もっとサポートしようという気持ちになります。
また、私自身以前は、こういう分野は行政がきちんと動くべきと考えていたのですが、実際のNPOの活動に参加することで、ここまで現場レベルのきめ細やなサポート、必要な人への必要なサポートというのは行政には難しいのではないか、と感じる部分がでてきました。NPOならではの活動の良さを実感し、自分もそういった市民の活動に参加をしているという実感自体がやりがいにつながっていると言えます。

Q5.3keysの活動に参加して、参加前を変わったことは何かありますか

瀧口 大きく変わったと言えるのは時間の使い方が上手くなったという点です。
おそらく3keysの活動をしていなくても、仕事で毎日いそがしくしていたと思いますが、今、3keysの活動をしているからといってプライベートの時間が削られているという感覚は全くありません。 自分が時間を上手に調整してでも、力を注ぎたいことが1つ見つかったというだけです。
活動の時間を作るために、仕事の方法など効率的に行おうと考えるようになり、結果としてプライベートの時間を割くわけでもなく、活動に参加できている状態を作り出せたということになります。

浅川 仕事では経験できない経験ができ、視野が広がったことです。
例えば、代表の森山さんが現場に行かれる際に同行させてもらうなど、児童養護施設の現場へ行くということは本業では絶対に経験できません。
また、そういう社会問題の現場を体験させてもらうことで、普段の生活でも社会の中のいろんな問題に意識が向くようになりました。と視野、自分の気持ちの面で変化がありました。

Q6.今後3keyや他の活動でやってみたいことがありましたら教えてください。

瀧口 まず、身近な目標としては3keysがもう少し安定的に活動できるようサポートするということですね。その後、活動をどのように広げていくかは代表や他のスタッフの方の意向によりますが、児童養護施設の子どもたちに広く学習の機会が提供されるようになってほしいと漠然と考えています。
また、2度団体の立ち上げを経験して感じるのは、何かを立ち上げ、組織化していくことは本当にすごくパワーが掛かかることで、そこには大きな壁があるということです。
3keysのように深くコミットはできるかわかりませんが、今後も、そんな立ち上げ期にある団体を法律面からサポートできたらいいなと考えています。

浅川 現段階では、3keysをしっかりサポートしていきたいというのが1番です。初めて関わった団体ですし、まだまだサポートもこれからという段階なので。先を見据えるというよりも、今はこの活動自体をしっかりやっていきたいと考えています。

最後に「もんじゅ」を見ている方へメッセージをお願いします。

瀧口 多様な社会問題を解決するために、近年多くの非営利団体が生まれており、社会人が自分のスキルを社会のために活かすチャンスは確実に増えています。それに伴って、社会人ボランティアの活動も多様化しています。限られた時間の中でも必ずできることがあるので、ぜひ躊躇せずにボランティア活動への第一歩を踏み出してみてください。

浅川
最近では、ネットで検索したり、TVで情報を得たりるすることは、当り前のようにできますが、実際に自分で行動に移し、現実を目にすると、自分に何ができるのかがもっとクリアになると思います。是非、自らの目で見て、肌で感じて、何ができるのかを考えて欲しいと思います。必ず見つかると思います。

特定非営利活動法人3keys http://3keys.jp/
特定非営利活動法人3keysの ボランティア募集はこちら

SMJより

本業でも専門領域を持ってスキルも十分なお二人。
3keysのために、上手に時間調整をして活動を楽しんでいらっしゃる様子が伝わってきました。
何よりも、専従スタッフの熱意に刺激を受け、引っ張られて自分たちも頑張ってしまう、という言葉が心に響きました。
浅川さん、瀧口さん、どうもありがとうございました!

[ 取材:玄道・桑原 ]

体験者の声